国内外で人気の有田焼。

焼き物は原料と焼成温度の違いにより、主に「土器・炻器（せっき）・陶器・磁器」の４種類に分類されますが、有田焼は磁器になります。

17世紀後半から18世紀にかけて、芸術性の高さが評価され、オランダ東インド会社によって海外輸出も盛んに行われ、ヨーロッパの宮殿を彩りました。
1900年のパリ万博への出展ではメダーユドール（最高名誉賞）を受賞するなど、語り継がれる実績がいくつもあります。

現在、有田焼の中で多くの方に好まれているのが、
香蘭社・ 深川製磁です。

これらについての歴史や製品の特長を振り返ってみます。

1 有田焼とは

佐賀県有田町とその周辺で製造される磁器の総称で、約400年の歴史があります。
17世紀に日本で初めて作られ、日本における磁器の起源となっており、透き通るような白い磁肌や、藍色の顔料で描いた染付け、ガラス質の上絵具を用いた華やかな赤絵が特徴です。

2 香蘭社と深川製磁の関係

1689年（元禄2年）
初代深川栄左衛門が有田で香蘭社の前身となる磁器製造を始めました。

1875年（明治8年）
八代深川栄左衛門らにより、合本組織香蘭社が設立されました。

1894年（明治27年）
香蘭社を設立した八代深川栄左衛門の次男である深川忠次によって、深川製磁が設立されました。

3 香蘭社の歴史や特徴

当地の有田焼の技術を活かし、磁器製絶縁碍子を日本で初めて製造した深川栄左エ門によって1879年に設立されました。

1689（元禄2年）
深川家の祖又四郎（初代深川栄左衛門）、有田で陶磁器製造を始める。

1870年（明治3年）
工部省電信局の下命により、八代深川栄左衛門、磁器による電信用碍子の製造に成功。

1875年（明治8年）
八代深川栄左衛門らにより、合本組織香蘭社が設立。

1876年（明治9年）
フィラデルフィア万国博覧会において褒状を受賞。

1877年（明治10年）
大久保利通内務卿より「名誉の章」が贈られる。
第一回内国勧業博覧会に磁器製低圧碍子を出品、褒状を授与される。

1878年（明治11年 ）
パリ万国博覧会にて金賞を受賞。

1879年（明治12年）
八代深川栄左衛門、香蘭合名会社設立。資本金25,000円。

1896年（明治29年）
宮内省大膳寮より、御用品製造を拝命。
陶磁器品評会が桂雲寺で開催され、これが現在の有田陶器市の嚆矢となる。

有田磁器独特の白く硬い透明な生地の上に、 優雅な染付と華麗な赤絵を配した典雅な文様、
十八世紀フランスのセーブルを中心に、ヨーロッパで愛好された 金銀彩のルリ釉もの、
さらに目にやさしく心がなごむグリーンシリーズ製品など多彩を極めています。

『蘭の花のマーク＋香蘭社の文字』のマークが使用されています。
1961年（昭和36年）に商標登録されています。

4 深川製磁の歴史や特徴

1894年（明治27年）
香蘭社を設立した深川栄左衛門の次男である深川忠次によって設立。

1900年（明治33年）
パリの万国博覧会に出品し、最高の名誉とな賞るメダーユドール（金賞）を獲得。

1904年（明治37年）
セントルイス万国博覧会に参加し、1等賞金牌を受賞。

1910年（明治43年）
宮内省御用達を拝命、御料御食器並びに御陪食用食器を製造、上納の栄を浴す。

1937年（昭和12年）
商工省より、技術保存指定工場（マルギ）に指定される。

1963年（昭和38年）
ボーン・チャイナを開発、製造を開始。

1989年（平成元年）
チャイナ・オン・ザ・パーク忠次官を新設。

2012年（平成24年）
光触媒を利用した抗菌食器を開発。病院、介護施設に販売開始。

創業以来生地作りから絵の具の調合まで直の完成に必要なすべての工程を自社で一貫して行っています。（百年工房）

『富士流水のマーク＋深川製の文字』のマークが使用されています。

5 展示場など…どこで見られる？

香蘭社

佐賀県有田町に本店があるほか、他に福岡県や東京都にもあります。

【有田本店】
佐賀県西松浦郡有田町幸平一丁目3番8号
【福岡博多店】
福岡県福岡市博多区下川端町3番2号
ホテルサイト2F 201号
【銀座香蘭社】
東京都中央区銀座六丁目14番20号
銀座香蘭社ビル

深川製磁

佐賀県有田町に本店があるほか、東京都にもあります。

【ARITA FUKAGAWA-SEIJI 本店】
佐賀県西松浦郡有田町幸平1-1-8
【ARITA CHINA ON THE PARK】
佐賀県西松浦郡有田町原明乙111
【TOKYO FUKAGAWA-SEIJI The House 六本木】
東京都港区六本木3-15-11　HOMAT WEST No.120

6 日本でも海外でも人気がある理由

有田焼は薄くて、軽く、そしてとても丈夫な磁器です。
食事の際に持ち上げても負担になることがありません。
その上、とても硬いため、普段遣いにもぴったりです。

見た目も華やかで美しく、デザイン性も高く、高級品から日常遣いできる食器やインテリアまで、豊富なアイテムが揃っています。

＜参考資料＞

香蘭社

https://www.koransha.co.jp/

深川製磁

https://www.fukagawa-seiji.co.jp/

ARITA EPISODE2 BY SAGA PREFECTURE

http://arita-episode2.jp/ja/index.html